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トップ > ホームステイ > ホストファミリー体験談 > 体験談 > インタビュー:ホストファミリー Nさんご一家の場合
 
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体験談

インタビュー:ホストファミリー Nさんご一家の場合

 実際にホストファミリーのお宅を訪問、現場からホームステイの様子とその心の交流、そして交流が地域に与える影響等をお届けする第2弾です。
 (2010年3月に行われたインタビューでしたが、JICE側諸事情により掲載が非常に遅れてしまいました。申し訳ありません。)

* * *

 ベトナムの女子高生2名を受入れてくださったNさん宅へお邪魔したのは、ちょうど夕食時。しゃぶしゃぶディナーの真最中でした。楽しそうに1つの鍋をつつく皆さん。46-1.JPG

 Nさんご一家は市の職員である元教師の優しいお父さんと、明るくて料理上手なお母さんのお二人です。

 お父さんがパソコンを開いて、四季折々のこの地域の写真を見せてくださいました。
 春、Nさん宅のお庭は杏の花が咲き乱れます。女子高生2人もその美しさに驚き、
「ウメ?サクラ?」
と写真に見入っていました。

 今度は冬。本格的に雪が降る時期の写真を見せながら説明します。彼女たちは雪の多さに目を見張りながらも、
「ベトナム語で雪はドゥエといいます。」
と突然ベトナム語講座開始。

 すると、お母さんが「しょっつる」という魚で作った醤油を持って登場して、
「ほら、ここにある普通の醤油とは色が違うでしょう。昔、大豆で醤油を作る前には皆これだったのよ」
と説明。暖炉で暖かな部屋の中、短時間に様々な話題で盛り上がっていました。46-2.JPG

--今日は何をなさったのですか。

(N父) 今日はスキー場へ行きました。すごく喜んでね。リフトに乗って上に行き、そりで降りてきました。
 彼女たちには、せっかく冬の長野に来たのだから、雪の冷たさや感触を感じさせてあげたかった。だからわざと手袋を渡さなかったのです。教えなくても自分から雪を丸めてこちらへ投げてきましたよ!

 そりの後は回転ずしでランチ、その後のショッピングが長くてなかなか帰れなくてね!ベトナムのお父さん、お兄さんにお土産を選んでいました。
 その後、他のホストファミリーのお寺*1へお邪魔して、今日は終了。
 本当は小布施という古い町並みとその独特な文化が味わえる場所に連れて行きたかったのですがね。明日にしました。

「ダメなものはダメ」と自由に話をすることが必要

--ホストファミリーを始めたのは。

(N父) 子供たちの受け入れは今回が2回目です。
 今まではアメリカから高校の教頭先生、アフリカのトーゴから政府要人等、大人が多かったですね。はじめて受け入れたのは10何年前かな、妻が決めてきました。
 私たちは今、子供たちの笑顔が見たい、そして一緒に楽しもうという気持ちで受け入れています。そして
「ダメなものはダメ」
というように自由に話をしているから、そんなに困ることもありませんね。
 この子達なんて、最初からフレンドリーでね、すっかりリラックスして既にこの家の子みたいになっているよ。46-3.JPG

--以前受入れた子供たちともやり取りは続いていますか。

(N父) 毎月2回くらいかな、メールをくれます。元気か、天気はどう、今日はこういうことをしたよとかいう内容で。
 今、彼らは大学生になったのですが、数学の試験で点数が悪かったから友達とカラオケで憂さ晴らししてきたとかね。こちらの様子も知らせているのですが、忙しくてつい連絡しないでいると、心配して
「なんで連絡をよこさなかった」
なんて言われますよ。

彼らの姿に「かつての日本にもあったが、いつしか失われてしまった大事なもの」を見る思い

--ホストファミリーの魅力とは。

(N父) 1つは、違う国の子供たちを通して、その国が見えてくるというところが非常に面白いですね。
 今までは、「ベトナムはこうだ」と固定された認識を持っていた。ところが彼女たちと話してみると、私たちの知らない、そして日本以上にすばらしいところ、優れたところも沢山ある。

 例えば、前回の高校生もそうでしたが、今ホームステイをしているベトナムの高校生は、毎日家で5時間勉強しているというわけです。一方、日本の高校生における家での勉強時間はというと、一部の進学校や受験期はさすがにやるかもしれないけれども、多くは、大変少ない時間です。中には全然やらない高校生もいますね。

 やっぱり新しく国を作っていこうとする人々は違う。昔の日本がそうであったように。
 子供たちが上を向いて一生懸命勉強する、そういう姿勢を日本は学ぶべきだと思います。
 それから彼らは、学校とか地域における仲間意識がすごく強く、
「かつての日本にもあったが、いつしか失われてしまった大事なもの」
を見せてくれているなと感じますね。46-4.JPG

「受入れる」という心と、時間の余裕が少しあれば、得るものは非常に多い

 そしてもう1つは、自分がその国に興味を持つようになる。
「ベトナムの人を受け入れる」となれば、「ベトナムについて少し勉強しておこうか」となりますよね。
 日本人にとって、ベトナムの都市といえば、普通ハノイかホーチミンの名が挙がるけれど、他にもフエ、ドンホイ、ホイアンなど魅力的な都市がたくさんあって、そんな中にこの子達の市もある。そこに興味をもったりするわけです。
 そしてその国を知ろうという積極性が生まれてくるのです。「受け入れる」というその心と時間の余裕が少しあれば、かえってこちらの方がうんと勉強になりますね。
 「受入はいつか余裕ができたら」
なんて言っていると、結局は時間に流され、受け入れられなくなってしまう。そこで、うちでは「受け入れる」ことを先に決めてしまって、それから他のスケジュールを調整していますね。

大切なのは、自分たちでできることを一緒にやろうという気持ち

--地域で国際交流を受け入れる意義は。

(N父) これは地域住民の意識と少し通じるところがありますね。
 今までは何でも行政に頼ろうという意識が強かった。ところが、行政側も経済的に状況は落ちこんでいる。そのため私たち自身の意識をかえなければいけないところへきています。
他に頼ろうとするのでなく、「自分たちでやろう」とする意識が大切になります。
「皆が一緒になってやろう」
という意識ですね。国際交流も同じです。

 この地域の人たちは、元々情けの深いところで、
「困っている人がいたら助け合いましょう」
と思う人たちが多いのです。それなのに相手が外国人であった時、つい引いてしまう場合がありますね。
 そこには、「言葉が通じない」とか「生活習慣がちがう」、「入っていきにくい」等、いろいろな理由があったりするわけです。でも、そこで
「困ったら私たちに相談してね」
「私たちでできることなら力になりましょう」
と言えたらよいでしょうね。

 今までの国際交流は、「特定の人」がやるものだという意識がありましたが、地域で受け入れることにより、
「自分たちでできることでよいから、一緒にやってみましょう」
と少し肩の力を抜いて受け入れることができる。するとそこには、自然と外国(人)に対して一歩踏み込もうとする気持ちが働くわけですね。

 また、国際交流は、
「楽しそう、おもしろそう」
という気持ちをきっかけに入っていったとしても、いつしか相手の国の様子や人をもっと理解しようとしたり、逆に、相手に自分たちの地域の魅力を伝えようとしたりするようになります。その点で自分たちの地域を見つめ直す機会にもなりますね。
 更に、その国際交流を受け入れた人たち同士による情報交換や交流ができれば、地域内のつながりの輪も広がります。そう考えると、地域の人たちにとっても大変有意義なものになるのではないでしょうか。

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「子供たちの喜んでいる顔を見たい」「自分たちも学ぼう」、この原点をいつまでも持ち続けたい

--国際交流をどのようにとらえていますか。
(N父) 文化や歴史、また、考え方、生活の仕方などが自分と違う人と交流できることは、楽しく、また勉強にもなります。その相手が外国の人であった場合はなおのことですね。そして交流によって相手の方に喜んでいただけば、こちらも嬉しいですね。
 また、お互いが直接触れ合うことで、互いの国や人をより身近に感じるようになる。そして理解していく機会になるのが国際交流ですね。
 相手の国との交流が広まっていけば、将来においても、互いの国民同士が友好的になる素地作りになると思います。
「子供たちの喜んでいる顔を見たい」「自分たちも学ぼう」
と、この原点をいつまでも持ち続けたいなと思いますね。

--国際交流における行政と民間の関係はどうあるべきとお考えですか。

(N父) 行政レベルではなく、市民レベルのところで活発にしていく、自分たちで進めてやっていくということが本当の国際交流につながると思います。
 この地域では様々な形で国際交流活動をしている人々がいます。
 地域の国際交流協会は、それぞれの活動の独自性を認めながら集まっている人たちの団体です。お互いに困ったときには、協力したり支援をしたりして民間レベルで交流を進めています。
 もちろん市の方でも交流活動に対し、協力・支援をしてくれているのは助かりますね。行政におんぶという形ではなくて、民間の人たちが育つということがやはり大事。行政はそのための橋渡しとなって支援していく立場でありたいですね。

世界の話し合いの場に「アジア」というグループで参加したい

--これからのアジアと日本について

(N父) 日本はずっとアメリカを向いているから、アメリカにちょっとそっぽを向かれるとものすごく慌てたりして。私も今まではどちらかというと目は欧米に向いていて、欧米の人たちを家に招いてきました。
 しかしこれからはむしろ、東南アジアに目を向けるべきではないかと思います。東南アジアは日本に近いのだし、お互いに理解しあうことができれば、「アジア」というエリア単位で色々なことを一緒に考え、やっていくことができる。

 例えば、スポーツで、欧米が自分たちに有利な方向でどんどんルールを変えていってしまいますよね。それから漁業でも、マグロ規制の問題等があります。
 そのような話し合いの場に、日本が1国ではなく、同じ立場の「アジア」というグループで参加できたら。
 
 将来、日本が逆に色々な面で支援してもらうこともあると思いますね。
 日本を理解してもらい、仲良く付き合っていくために、まず相手の国のことを知っていかなくてはいけない。国際交流はそのいい機会なわけです。46-6.JPG

--JENESYSプログラムはいかがでしたか。

(N父) 個人レベルではなかなか出来ない東アジアの青少年との交流の機会を作っていただきありがたかった。
 運営面において、私が1番良いと思ったのは、ホームステイ中、JICEが高校生たちに持たせている24時間体制の緊急電話ですね。*2
 「困ったことがあったら、いつでも連絡してください」
という、これは本当にありがたいと思います。実際には大抵何の問題もないのだけれど、
「もし何かあったらどうしよう」
という不安は必ずありますから。
 例えば病気。具合が悪そうなのだけど、どこが悪いのか、痛いのか、寒いのか、病院へ行った方がいいのか。言葉の問題でよくわからない。もしかしたら本人でさえ自分の状態を把握できていないかもしれない。そんな時、この緊急電話を使えば、本人も自分の言葉で具体的に話すことで安心するだろうし、とても重要でありがたいですね。

--JENESYSプログラムへの要望は。

(N父) ホストファミリーの受け入れやすさという点では、年度の初めと終わりの時期ではない方がよい。
 欲を言えば、その地域の四季の特色が存分に味わえる時期がいいかな。
 曜日の面では、JENESYSプログラムのように金曜日の夜から土日までだと、平日勤めている人でも受け入れやすくていいですね。
 それから、交流やホストファミリーを
「これから始めてみる、始めてみたい」
という新しい人たちが参加しやすい環境を市や交流団体と協力して作っていきたいですね。

交流が広まっていく、そして長く続いていくということが1番重要

--交流やホストファミリーに興味のある新しい人たちが参加しやすい環境とは。

(N母) 私の友達もホストファミリーに興味はあるのですが、
「英語が話せなくて」
という方がいるのです。
「突然話せるようになるわけないのだから、早く一回やってしまえばいいよ」
と私は答えたのですけど。

(N父) やりたいし、興味はあるのだけれど、どうしていいかわからない、という人のために、最初の対面式の時に
「今回受け入れをする方でなくても、興味のある方は是非来てください」
とするのはどうか。そして、実際のふれあいをみてもらって、
「この程度の英語だったらできるかも」
なんて感じて、
「じゃあ次はやってみよう」
となったらいいですよね。
 やはり交流が広まっていく、そして長く続いていくということが1番重要な訳です。

ホストファミリー同士がコミュニケーションをとれる場があればいい

 そしてもう1つは、ホストファミリー同士がコミュニケーションをとれる場があればいいなと考えています。
 前回の受入時には、親しい家族も高校生を受け入れたので、協力して2家族一緒にボウリングをして、夕方にはそのお宅でバーベキューをしました。すると、子供たちは2家族分の経験をすることができたわけです。

 説明会、対面式、歓送会などで、お互いちょっと話したりできるような機会があればと思いましたね。
 「こういうことをやった」「こんな喜び方をした」
というお話ができれば、情報共有にもなる。
 そうしてホストファミリーがお互いに、
「よかったね、またやろう」
という気持ちがわくと、更に交流が継続していくようになる。
 そのうちホストファミリーの中から、英語の堪能な人が、
「私たちも慣れない人をサポートしますよ」
と出てくるようになってくれば、これは本当に市民レベルのものです。私はそれを望みますね。

上手くは話せないかもしれない、でも何とかわかろう、わかってもらおうとするようにしてもらいたい

--これからホストファミリーをはじめる方々へのメッセージを。

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(N父) 先ほどもありましたが、皆さんが真っ先に心配するのが言葉ですね。
 家族全員が全然話せないとなると、コミュニケーションがちょっと難しい。ボディランゲージや、手で物を指すというだけでは、なかなか伝えにくい。
 ではどの程度の英語力が必要かというと、中学程度でもまあできるかな。

 日本人には、間違いがなかなか許されないという文化、思い込みがある。だからみんな引っ込んでしまうよね。でも、大丈夫ですよ、逆にこの交流をきっかけに、コミュニケーションのための英語や相手の国の言葉も学んでいけるとよいですね。その勇気をもったら、楽しいし面白いですから。

 そのことを多くの人に伝えたいですね。上手くは話せないかもしれない、でも何とかわかろう、わかってもらおうとするようにしてもらいたい。
 それから、受入をしたことはなくても、外国へ行ったことがある人は、素地として受け入れやすいと思いますね。ある程度通じるなと思えるならば、受け入れもできると思うし。 

気持ちを楽にし、心だけは暖かく子供を見守るという気持ちでやればできる

 言葉の次はもてなしですね。特別なもてなしは必要ありません。でもね、皆さん結局やりたがるのですよ。どこのホストファミリーもね。こんなもの食べさせてあげよう、こんな所に連れて行ってあげようと。
 でも色々な家庭のタイプがあっていいのだと思います。豪華な食事を出すところもあるだろうけれど、質素だっていいのです。むしろ、異国の地で普段の食事を出してくれるというのはいいですよね。
 そうやって本当に気持ちを楽にして、心だけは暖かく子供を見守るという気持ちでやればできるのではないかなと思います。

* * *

取材後、
「今度は仕事でなくて、プライベートで遊びにおいで、泊まる場所はいくらでもあるよ。」
と優しく言ってくださったNさんご夫妻。皆がこの家に集まってきて、そして笑顔になる理由がよくわかりました。遅くまでどうもありがとうございました。

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*1 このお宅にも翌朝訪問しております。インタビューの様子はこちらから

*2 ホームステイ中、訪日団の青少年には1家に1台ずつ緊急用の携帯電話を貸与しています。日本語と青少年の現地語を話すコーディネーターが24時間対応しますので、緊急の際はいつでもご連絡いただけます。詳細はこちらからどうぞ。

→Nさんのステキな交流は今も続いています。後日談についてはこちらから

→そして、このインタビュー記事を読んだベトナムの皆さんからの感想はこちらから